予防接種とは

予防接種イメージ

予防接種で使用されるワクチンは、私たち人間の体に備わる免疫システムを利用したもので、感染症への感染予防や、重症化の予防に有効です。ひとつの感染症にかかると、体力、免疫力が低下して、他の感染症にかかってしまったり、持病が悪化してしまったりする場合があります。また周囲の大切な方を守るという側面もあります。予防接種で低減できるリスクは、なるべく低減することが、生活の質を落とさないためには大切です。

当院では、各種予防接種を行っております。予約制となっておりますので、まずはお電話にてお問い合わせください。

成人向け予防接種について

B型肝炎

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスによるウイルス性肝炎の一つです。引き起こされる症状には急性肝炎と慢性肝炎があります。急性では、発熱、倦怠感、黄疸などが現れ、場合によっては劇症肝炎(激しい炎症の状態)となり、重症となることもあります。一般には数週間で肝炎は改善します。当初は急性であったものの、慢性に移行すると、将来的に肝硬変や肝臓がんにつながるリスクもあります。

B型肝炎ワクチンは感染を予防するとともに、肝がん予防につながるワクチンで、3回の接種をした場合、20年以上、効果が持続するとされおり、またなるべく若いうちに接種することが効果的とされています。不活化ワクチンという種類のワクチンのため、妊婦中や授乳期の方も接種することが可能です。

肺炎球菌

肺炎球菌は、高齢者の肺炎の原因として最も頻度が高いと言われており、高齢者の方にとって肺炎球菌による肺炎の予防は、非常に重要です。もともと肺炎球菌は、鼻やのどの奥によくみられるもので、通常は発症することは少なくなっています。しかし、高齢者や、循環器・呼吸器等に持病のある方など、免疫力が低下していると、肺炎を引き起こし重症化してしたり、髄膜炎、敗血症、中耳炎などを併発したりする場合があります。

肺炎は一度発症すると、治っても再発しやすく、様々な合併症を引き起こしたりもします。特に高齢の方の場合は全身が弱まり、生活の質を大きく落としてしまう可能性もありますので、予防接種によって肺炎球菌による肺炎を予防しておくことは大切です。またインフルエンザにかかると免疫力が低下し、肺炎にもかかりやすくなりますので、高齢の方はインフルエンザの予防接種とも併せて受けることをお勧めします。

なお高齢者の肺炎球菌ワクチンは定期予防接種となっています。対象となるのはこれまで肺炎球菌(ニューモバックス)の予防接種を1回も受けたことがない方で、各年度に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方、および60~64歳の方で特定の条件を満たしている方です。

肺炎球菌の予防接種は、市内在住方で条件の当てはまる方に公費補助があります。
下記サイトをご参照ください。

高齢者の肺炎球菌予防接種について - 河内長野市ホームページ (kawachinagano.lg.jp)

水痘

水痘は「水ぼうそう」とも呼ばれる感染症で、病原体は水痘帯状疱疹ウイルスです。症状としては発熱し、体幹や顔に紅斑が現れ、水疱となり、その後、乾いてかさぶたになります。小児がかかりやすい病気とされていますが、大人になってからもかかることがあり、その場合、重症となることが多いため、注意が必要です。

また水痘帯状疱疹ウイルスは、病気が治ってもそのまま神経などに潜伏し、成人や高齢になってから免疫力が低下した際に「帯状疱疹」という病気を発症し、神経の痛みを伴う「帯状疱疹後神経痛」という後遺症を残す場合があります。50歳以上の方では、水痘ワクチンを接種することにより、帯状疱疹後神経痛の予防につながることが期待されますので、心配な方はワクチン接種をご検討ください。

おたふくかぜ

おたふくかぜ(ムンプス/mumps)は、咳やくしゃみなどの飛沫や、接触によって感染するもので、発症すると耳下腺(じかせん)や顎下腺(がっかせん)などの唾液腺(だえきせん)の腫れや発熱がみられるのが特徴です。様々な合併症を伴うことも注意すべき点で、膵炎や髄膜炎、腎炎、感音性難聴などが合併症として挙げられます。思春期以降では、精巣炎や卵巣炎を起こすリスクもあります。とくに感音性難聴では聴力の回復が難しく、その後の日常生活や社会生活に影響を及ぼす重大な合併症となっています。

今までにワクチン接種をしていない、おたふくかぜにかかっていない方は、ワクチン接種することをお勧めします。おたふくかぜワクチンは生ワクチンと呼ばれるもので、麻しん風しんワクチン(MRワクチン)との同時接種も可能です。

麻しん・風しん(MR)

「麻しん(Measles)」および「風しん(Rubella)」の予防を同時に行うワクチンで、MRワクチンとも呼ばれます。それぞれの毒性を低減したウイルスを使用した生ワクチンで、2回接種することにより効果が高まると期待されています。1回目と2回目は基本的に4週間の間隔を取ります。

麻しんは「はしか」という名前でも知られている病気で、感染後約10日で発熱や咳、鼻水など風邪に似た症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併する場合もあります。成人で罹患すると重症になることが多いとされていますので、注意が必要です。

風しんは「3日はしか」とも呼ばれるもので、麻疹と同様に発熱や発疹があり、さらに首や耳の後ろのリンパ節が腫れるのが特徴です。成人でかかると重症になることが多く、脳炎や血小板減少性紫斑病を併発する場合もあります。また妊娠初期の妊婦の方が罹患すると、赤ちゃんの耳や眼、心臓等に異常をきたす「先天性風疹症候群」が現れる危険性があります。出産を控える方はもちろん、周囲の方も風しんワクチンを接種しておくようにしましょう。

麻しん・風しんワクチンの予防接種は、市内在住で条件の当てはまる方に公費補助があります。
下記サイトをご参照ください。

参考サイト

風しん予防接種費用の一部を助成しています(妊娠を希望される女性等対象) - 河内長野市ホームページ (kawachinagano.lg.jp)

全年齢向け予防接種について

インフルエンザ

インフルエンザは風邪に似た症状を発症する感染症で、症状としては急激に発症し、悪化するのが特徴です。38度以上の高熱がみられ、強いのどの痛みや、鼻水、咳等に加え、頭痛や関節痛、筋肉痛など全身の症状が現れます。通常、1週間~10日で症状は改善します。しかし、高齢者で免疫力が低下されている方や、喘息、慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの持病がある方が罹患すると、重症化する場合がありますので、注意が必要です。

インフルエンザにかかると免疫力が低下し、様々な合併症を引き起こすリスクも高まります。合併症としては、高齢者の方の場合、肺炎を併発することが多く、重篤化して命に関わることもあります。また乳幼児や小児は、急性脳症を併発する場合があり、後遺症が残ったり、最悪の場合は、命に関わったりすることもあります。このようなリスクを避けるためにも、インフルエンザの予防接種を受けることをお勧めします。

インフルエンザウイルスは毎年変異し、その構造を変えるため、それに合わせてワクチンの内容も毎年変更されます。インフルエンザ予防のためには、毎年、予防接種することが重要です。ワクチンは効果を発揮するまでに約2週間かかり、効果の持続期間が5カ月ほどですので、毎年の流行期間前の11月中旬くらいに接種するのが望ましいとされています。

健康診断とは

健康診断イメージ

当院では各種健康診断を実施しています。初期には自覚症状がほとんどない生活習慣病を発見し、早期に治療を開始するためには、健診を受けることが非常に重要です。それにより動脈硬化などの進行を予防し、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な疾患を防ぐことができます。また現在では、様々な「がん」も、早期発見により治癒する確率が高まっています。

河内長野市では、特定健診や青年・成人健康診査、各種がん検診など、健診・検診の補助を行っています。詳しくは下記をご参照ください。

検診・健診 - 河内長野市ホームページ (kawachinagano.lg.jp)

当院では、健康診断の結果、なんらかの治療や、さらに精密な検査が必要になった際、当院で対応できない場合は、患者さまのご希望に応じ、連携する医療機関をご紹介いたします。

特定健康診査について

当院では、高齢者医療確保法に基づいた、国民健康保険加入者対象の特定健康診査、特定保健指導を行っています。特定健診は、主に高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に関する体の状態を検査し、病気の早期発見、および生活習慣の改善につなげていくことを目指したものです。

対象になるのは40歳~74歳の方で、毎年、送られてくる受診券と保険証をご持参の上、ご来院ください。検査項目や公費補助等については、下記をご参照ください

参考サイト

河内長野市国民健康保険の特定健康診査・特定保健指導 - 河内長野市ホームページ (kawachinagano.lg.jp)

企業健診(雇入時健診・定期健診)

当院では、各種企業健診もお受けしています。健康診断を行うことにより、企業に勤める人は、健康的な生活を送ることができ、また企業側は従業員が健康的で生き生きと働くことで、より企業の価値を高めていくことにつながります。

雇入時健診

事業者は常時使用する労働者を雇い入れる際は、その労働者に対して、下記の項目について、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第43条)。主な検査項目は下記となります。
  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
  • 胸部X線検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量、赤血球数)
  • 肝機能検査(ALT、AST、γ-GT)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
  • 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査

定期健診

事業者は年に1回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回)以上、定期的に下記項目の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。主な検査項目は下記となります。

  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
  • 胸部X線検査、および喀痰検査
  • 血圧測定
  • 貧血検査
  • 肝機能検査(ALT、AST、γ-GTの検査)
  • 血中脂質検査(LDL コレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
  • 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査

※身長・腹囲、胸部X線、喀痰、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図の各検査については、医師が必要でないと認めた場合には、省略することができます。