高血圧について
正常な血圧は収縮期血圧(最高血圧)が120mmHg以下、拡張期血圧(最低血圧)が80mmHg以下とされています。この範囲を超え、外来時測定で収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90mmHg以上となると高血圧と判断され、高血圧の状態が続くと高血圧症と診断されます。ただ判定にあたっては同条件下で繰り返し測定し、それでも基準値以上になる場合になります。
高血圧症は動脈硬化を促進させる原因として代表的な生活習慣病の一つで、動脈硬化は全身の大きな血管でも、微細な血管でも起こり得ます。すると各所で以下のような疾患を引き起こすリスクが高まります。
脳 |
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眼 |
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腎臓 |
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心臓 |
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高血圧の原因としては過剰な塩分摂取、肥満、過度の飲酒、精神的ストレス、運動不足、野菜や果物(カリウム等のミネラル)不足、喫煙などの生活習慣が原因と考えられています。高血圧の改善のためには、まず、これらの生活習慣を見直していくことが重要になります。1日の塩分摂取量を減らす(目安としては1日6g以下)など、食事習慣、運動習慣、喫煙習慣等の改善に取り組むことが大切になります。
既に脳疾患や心疾患を併発していて、早急に血圧を下げる必要がある場合などは、併行して薬物療法を行います。使用する薬剤としては、血管を拡張し血圧を下げる「カルシウム拮抗薬」、血圧を上昇させる物質の作用を抑える「ACE阻害薬」、尿からの塩分排出を促す「利尿薬」、血管を広げ心臓から送り出される血液の量を抑える「β遮断薬」などがあります